学生が交通事故の被害に遭った場合の慰謝料について

交通事故

学生が交通事故の被害に遭った場合の慰謝料について

大阪法律事務所 所長 弁護士 長田 弘樹

監修弁護士 長田 弘樹弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長 弁護士

交通事故は日々多く発生しており、当然学生が交通事故に遭ってしまうことも少なくありません。学生が交通事故に遭った場合、会社員や主婦とはもらえる慰謝料が異なるのかどうかや、アルバイトを休まざるを得なくなった場合にはどのようになるのかなど、学生特有の問題についてこのページで解説してまいります。

学生の場合にもらえる慰謝料

交通事故の被害者が学生であるからという理由だけで、他の会社員や主婦などと慰謝料の計算方法に違いがあるわけではありません。慰謝料については、どのような怪我を負ったのかであるかや、通院の頻度がどのようなものであるのかといった点に着目して算定していくことになります。

慰謝料以外に受け取れるもの

交通事故の被害に遭った場合、慰謝料以外に受け取ることができる項目としては、治療費・交通費・休業損害・逸失利益などがあります。その他に入院を余儀なくされた場合には入院にあたって必要となった雑費を請求することになりますし、例えば装具の装着が必要になった場合にはその装具費用を請求していくことになります。
ご自身の交通事故の被害の内容によって受け取ることのできる項目は異なりますので、弁護士に相談してどのような項目が請求できるのか確認するようにしてください。

バイト収入があれば学生でも休業損害が認められる

アルバイトをしている高校生や大学生などが交通事故に遭って、アルバイトを休まざるを得なくなった場合には、その減収した分について休業損害を請求していくことになります。休業損害は正社員で無かったとしても請求することができるものですので、忘れずに請求するようにしましょう。
 具体的にどのようにアルバイトについての休業損害を計算するのかについては、以下で順番に説明してまいります。

アルバイトの休業日数の出し方

出勤日、つまりシフトが固定制の場合には、そのシフトに従って休業日数を計算することになり、計算が複雑にはなりにくい傾向にあります。
反対にシフトが固定制ではなく、週ごとにシフトが決まる場合などは、将来のシフトが固定されているものではないため、どのような計算となるのか悩ましいことも多いです。一般的には、事故前の出勤日数(だいたい事故前3ヶ月を算定基準とすることが多いです。)を参考に、事故後の想定される休業日数を算出していくことが多い印象ですが、最終的には個別具体的な事情に基づいて休業日数の算出を行っていきます。

アルバイトの休業損害の計算方法

休業損害については一般的に、事故前3ヶ月の本給と付加給を合計した金額を90日(30日×3ヶ月)で割って一日当たりの休業損害額を算出することが多くなっています。会社員についてはこの計算方法で問題ないケースもありますが、アルバイトについては、出勤日数がそもそも週の半分も無いことも多く、この計算方法では1日あたりの休業損害額として非常に少なくなってしまう可能性が出てきます。その場合には、事故前3ヶ月の本給と付加給を合計した金額を、出勤日数で割って1日あたりの休業損害額を算定する方法をとる場合があります。

請求には休業損害証明書・源泉徴収票が必要

休業損害の請求を行うにあたっては、ご自身の計算式のみを提出すれば足りるわけではなく、その計算方法が正しいことを証明しなければなりません。
その証明の方法としては、勤務先に作成していただく休業損害証明書や、事故前の年より前の年から就労している場合には勤務先が発行している源泉徴収票が挙げられます。これらの資料を提出したうえで、計算式にのっとって休業損害額を算出していくことになります。

学生の後遺障害逸失利益は高額になりやすい

懸命に治療を継続しても、どうしても後遺障害が残ってしまったときには逸失利益を請求していくことになります。
既に就職先が決まっている場合や、医学部に進学しているなど将来の予定がかなり確度の高いものである場合には、その予定される収入をもとに計算していくことが想定されます。
ですが学生の場合には、まだ将来どのような職業に就くか決まっていないことが圧倒的に多いです。このような場合には、全年齢の平均収入をもとに計算していくことが一般的です。学生の場合は、就労可能年数が長い、すなわち逸失利益を請求する期間が長いため、後遺障害逸失利益が高額になりやすいのです。

学生の交通事故被害に関する裁判例

交通事故の被害者が高校生だった場合の裁判例

交通事故発生当時高校生であった方が、その在籍高校が大学の附属高校であったこと、その高校を選択したのは当該大学への進学をも視野に入れていたこと、その大学に進学できる成績を修めていたこと、及び実際にその大学に進学したことに鑑みて、全労働者大学・大学院卒業者の全年齢平均賃金センサスをもとに後遺障害逸失利益を算出した裁判例があります。

事故に遭った大学生に高額な逸失利益が認められた裁判例

交通事故発生当時大学生であった方についての裁判例をご紹介します。この事件では、被害者の方は幼い頃から書道に取り組まれ才能を発揮し、書道関係では名門とされる大学に入学してその才能を大学での課程を通じて更に高めて特別な技能として習得していたという事実に鑑み、女性の大学卒業全年齢の賃金センサスに1割加算した金額を基礎収入として、後遺障害逸失利益を算出したものでした。

学生の交通事故に関するQ&A

事故により入試が受けられず、入学が1年遅れました。慰謝料は請求できますか?

入学が遅れたことによる慰謝料を請求することは非常に困難です。交通事故発生による慰謝料については、先ほどご説明したように、負った怪我の内容や通院の頻度等が算定の基準となるためです。ですが、例えば、既に支払い済みの受験料の返還を求めることなどは可能ですので、具体的に入試を受けられなくなったことによって無駄になってしまった費用としてどのようなものがあるのかについて、検討していくことになります。

怪我の治療のために就活を中断せざるを得ず、就職が1年遅れました。休業損害は請求できますか?

交通事故が発生していなければ無事に学校を卒業して就職していたはずであるということが証明できる場合には、その就職遅れによる休業損害を請求することは可能です。
この場合には、一般的には賃金センサスを用いて平均的な収入額を前提として、休業損害を計算することとなります。 具体的にどのような就職活動を行っていたのか(説明会に参加していたかどうか、会社訪問を行っていたか、面接試験を受験していたかどうかなど)の説明を行うことが必要になりますので、その説明を裏付けるための資料を準備するようにしてください。

交通事故で入院していたために留年してしまいました。授業料や慰謝料は請求できますか?

交通事故に遭って長期間の入院を余儀なくされた場合には、出席日数が足りなかったり、試験を受けることができなくなったりして留年することになる可能性があります。その場合には、授業料の請求を行うことは可能です。他には、留年することによって費消することになったアパートの家賃の請求を認めた裁判例があります。
慰謝料については先ほどの入学遅れによる慰謝料の請求が困難であるのと同様に、こちらでも請求は困難でしょう。

勉強の遅れを取り戻すために家庭教師を付けました。家庭教師代は請求できますか?

長期間の入院や後遺障害が残ってしまった場合など、交通事故に遭ってしまったことをきっかけとして勉強に遅れが生じることがあり得るでしょう。その場合に家庭教師の先生に依頼をしたり、通塾することになったりしたのであれば、相当な範囲内において家庭教師代等を請求することが可能です。他にも、特別に使用することになった教科書代の請求を認めた裁判例があります。

交通事故に遭われた学生の方・ご家族の方は弁護士にご相談ください

学生の方が交通事故に遭われた場合には、学生特有の請求項目があったり、アルバイト等の休業損害の計算方法に悩まなければならなかったり、後遺障害が残存する場合には逸失利益の計算をしなければならないなど、慎重に検討しなければならない問題が多くあることがお分かりいただけたでしょうか。
被害に遭われたご本人だけではなく、ご家族の方もこのような問題に直面して心労が重なることになるかと思われます。そのような場合には、一度ご自身のケースではどのように考えていけばよいのか、弁護士にご相談いただければ、今後の不安解消にもつながるかと考えます。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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