疼痛等感覚障害で認定される可能性のある後遺障害等級

交通事故

疼痛等感覚障害で認定される可能性のある後遺障害等級

大阪法律事務所 所長 弁護士 長田 弘樹

監修弁護士 長田 弘樹弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長 弁護士

疼痛等感覚障害

交通事故により骨折等を受傷し、脊髄や神経損傷をともなっていないにもかかわらず、受傷部位が治癒後も痛みや感覚障害等が残ることがあります。

このような場合の後遺障害等級認定は、以下の通りとなります。

疼痛の後遺障害等級
等級 障害の程度 保険限度額 労働能力喪失率
12級12号 通常の労務に服することはできるが、時には強度の疼痛のため、ある程度差支えがあるもの 224万円 14%
14級9号 通常の労務に服することはできるが、受傷部位にほとんど常時疼痛を残すもの 75万円 5%
疼痛以外の感覚障害
14級9号 疼痛以外の感覚異常(蟻走感、感覚脱失等)が発現し、その範囲が広い場合 75万円 5%

また、事故態様や怪我の程度と比較して、明らかに釣り合わない疼痛が長期にわたって続く場合続く場合、「特殊な性状の疼痛」を疑う必要が出てきます。

後遺障害等級認定において問題とされる「特殊な性状の疼痛」は、RSD(反射交感神経性ジストロフィー)や、CRPS(複合性局所疼痛症候群)で、灼熱痛(カウザルギー)を生じます。

認定基準は下記の通りです。

CRPSの後遺障害等級
等級 障害の程度 保険限度額 労働能力喪失率
7級3号 簡易な労務以外の労働に常に差し支える程度の疼痛があるもの 1051万円 56%
9級7号の2 通常の労務に服することはできるが、疼痛により時には労働に従事することができなくなるため、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの 616万円 35%
12級12号 通常の労務に服することはできるが、時には労働に差し支える程度の疼痛がおこるもの 224万円 14%
RSDの後遺障害等級
(1)関節拘縮、(2)骨の萎縮、(3)皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)という慢性期の主要な3つのいずれの症状も健側と比較して明らかに認められる場合に限り、CRPSと同様の基準により認定する

事故で外傷を受けると、交感神経が緊張(反射)し、アドレナリンを放出します。アドレナリンには血管を収縮させる作用があり、これにより出血を止めようとするのです。

ところが、外傷が治癒に向かっても、交感神経反射が消失せずに続く場合があります。この場合、アドレナリンの放出が止まず、血流障害が起きます。

また、交感神経が緊張しているときは副交感神経の働きが抑えられます。この副交感神経は、臓器や器官の排泄や分泌を担当しており、副交感神経が抑えられると、臓器や器官の老廃物の排泄、ブドウ糖の利用に必要なインスリンの供給が低下し、身体は循環不全を起こします。

さらに、交感神経の緊張が続くと、白血球を構成する顆粒球の活動が活発になります。顆粒球は活性酸素を放出し、強力な酸化力で細胞を殺傷します。

これらの状況が長時間続いたことにより灼熱痛を生じることがあり、これがRSDと説明されています。

他方、交感神経の関与しない痛みも存在します。交感神経が関与していないにもかかわらずRSDと同様の症状を呈するものがCRPSです。

 

RSDやCRPSの検査、診断には専門的な検査や専門医の診断が必要です。

不幸にして、不十分な検査や診断しか受けられなかった場合、十分な立証ができずに後遺障害の認定を受けられないおそれもあります。

事故に遭われて、前記各症状にあたるかもと思われた方は、是非弁護士法人ALGまでご相談ください。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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