積極損害として認められる損害項目とは

積極損害として認められる損害項目とは

積極損害とは

積極損害とは,交通事故が発生したことにより被害者が現実に出捐(出費)した費用と出捐(出費)せざるをならなくなった損害をいいます。

一般的な積極損害としては,治療費,入院費,付添費,装具の購入費,家屋等の改造費,葬儀費,車両の修理代や代車費用等が挙げられます。
積極損害では領収証等によって現実の出捐(出費)を明らかにしやすいので消極損害より立証は容易ですが,事故態様や受傷状況などによっては出捐(出費)の必要性や相当性が争われることがあります。

以下、積極損害として認められうる損害項目をご紹介します。

治療費

交通事故により生じる治療費は、交通事故により生じる損害の典型的なものです。

ただ、損害賠償として支払われる治療費は「必要かつ相当」な範囲内で認められるものであり、被害者が交通事故により生じたと考えている治療費の全額が支払われるものとは限りません。

入院中の個室ベッド代(特別室使用料)や整骨院・接骨院の施術費用は、よく争いが生じるところですので注意が必要です。

付添看護費

傷害の程度や被害者の年齢等により、必要があれば入院付添費用(入院看護費)が損害とされます。入院付添費は原則として医師の指示が必要となりますが、医師の指示がない場合にも、傷害の程度・被害者の年齢等から認められる場合もあります。

被害者が乳幼児・児童等により一人で入院できない場合や、受傷が重篤であり、一人では食事ができず、介助・介護が必要な場合等には認められるケースが多いです。

入院付添費は、職業付添人が必要であればその実費の全額、家族等の近親者が付添人となる場合には、1日につき6500円(大阪では6000円)が被害者本人の損害として認められます。

一方、自賠責保険の入院付添費(入院看護料)は、12歳以下の子供に近親者等が付き添った場合に1日につき4100円とされています。

通院付添費

傷害の程度や被害者の年齢等により、必要があれば通院付添費用が損害とされます。

12歳以下の子供の通院の場合は、通院付添費が認められることが多く、その他の場合にも、医師が必要性を認めた場合や、症状の部位や程度により認められます。

通院付添費は、家族等の近親者が付き添う場合には、1日につき3300円(大阪では3000円)とされています。(増額事由がある場合には、事情に応じて増額される場合があります。)

一方、自賠責保険の通院付添費は、1日につき2050円とされています。

自宅付添費(自宅看護料)

傷害の程度に応じて、医師が看護の必要性を認めた場合には、自宅付添費(自宅看護料)が認められ得ます。

自宅付添費につき、職業付添人を必要とした場合には、必要かつ妥当な範囲で実費が損害とされ、家族等の近親者が付き添った場合は、程度に応じて認められます。

自賠責保険上では、家族等の近親者が付き添った場合は、自宅付添費は1日につき2050円とされています。

将来介護費

症状固定後にも、被害者の看護・介護が必要な場合は、被害者の症状の程度に応じた必要かつ相当な程度で、将来介護費(将来看護費)が認められます。

職業付添人の場合は、必要かつ相当な実費を、近親者による付添の場合は、介護(監護)の状況に応じて相当額を、被害者本人の損害として認められます。

近親者による付添の場合に、常時介護と認められれば1日につき8000円、随時介護(入浴、食事、排せつ等、行動の一部について介護を要する場合)の場合は、介護の程度に応じて8000円以下の相当額を損害とされます。

後遺障害等級2級以上の場合は、概ね随時介護・常時介護の必要性が認められる傾向にありますが、高次脳機能障害5級相当程度であっても、随時介護が必要なものとして将来介護費が認められることはあります。

将来介護費は、原則として平均余命まで認められ、重傷により、高次脳機能障害や脊髄損傷等の症状になってしまった場合は、損害項目の中で大きな割合を占めることになりますので、弁護士に相談をしたうえで慎重に検討しなければならない損害項目でしょう。

弁護士法人ALG大阪法律事務所では、高次脳機能障害、脊髄損傷等の重大事故案件も多数扱っておりますので、ご相談ください。

通院交通費

通院交通費は、原則として実費が相当額として認められ、自家用車で通院する場合には、距離に応じて1km当り15円が損害とされます。また、高速道路の利用が必要である場合や、駐車場代がかかる場合には、必要に応じて損害とされます。

通院にタクシーを利用する場合のタクシー代については、タクシー利用が相当な場合に認められるが、例えば、公共交通機関が近くに存在せず、病院への通院が自宅から駅までだけで1時間程度かかる場合や、傷害の程度により、公共交通機関では通院できない場合が考えられます。

付添人の通院交通費

付添人の通院交通費は、原則として認められるものではありませんが、傷害の程度や被害者に付添が必要であり、その付添人が通院のために交通費が必要となった場合には、付添人の通院交通費が損害とされる場合があります。

なお、付添人の通院交通費が必要か否かの判断には、被害者の受傷の程度や付添人と被害者の関係等から判断されます。

近親者が海外から帰国するための費用が損害として認められたものもあります。

学生の学習費

被害者の被害の程度、内容、子供の年齢に応じて、必要相当な範囲で授業料や学習付添費等が支払われることがあります。

具体的には、事故により長期間休学し進級が遅れた場合の授業料、授業に追いつくための家庭教師代、納入して無駄になった学費等が考えられます。

装具・器具等・眼鏡の購入費

装具・器具等の費用については、症状の内容・程度に応じて、必要があれば認められます。義手・義足や歩行具、車いす、サポーター等については、典型的なものとして症状に応じて認められます。

また、交通事故で眼鏡の買換えが必要となる場合においても、眼鏡買換え費用は人身傷害の損害として考えられています。

このため、交通事故で眼鏡に傷がつくなどの損傷で買換えが必要となった場合に、自賠責保険から眼鏡代が支払われますので、加害者が自賠責保険には加入しているが任意保険に加入していない場合にも、自賠責保険から、眼鏡代を賠償してもらうことが可能です。

家屋・自動車改造費

被害者の受傷の程度・具体的な症状、後遺症の程度・内容等により、必要性が認められれば、家屋の改造費や転居費用が損害として認められます。

脊髄損傷等による下肢の麻痺や、体幹機能障害が生じている場合には、エレベーターの改造・バリアフリーの設備(トイレ・浴槽等)の設置等、必要に応じて損害として認められます。

また、重度の後遺障害でなくとも、歩行等に障害が生じたり、下肢の痛み等で、家屋の改造や転居の必要が生じた場合には、損害として認められているケースも多数あります。

家屋改造費用・バリアフリーの設備費用・転居費用等については、保険会社も当然に窓外として認めてくれる場合は少ないため、弁護士法人ALG大阪法律事務所の弁護士にご相談いただくのをお勧めします。

葬儀関係費用

交通事故により、被害者が死亡した場合は葬儀費用が損害として認められます。

ただし、無制限に認められるものではなく、原則として150万円(大阪でも同じ)とされており、150万円を下回る場合には、実際に支出した額が損害とされます。

もっとも、150万円以上は一切認められないというものでもなく、被害者の年齢・職業・地位等により必要性があれば、必要かつ相当な範囲内で増額されるケースもあります。

なお、自賠責保険上は、原則として葬儀費用は60万円とされ、立証等により60万円を超えることが明らかな場合は、100万円を限度として支払われます。

香典(香典返し)

葬儀費用の請求において、香典の扱いに悩む方が多いと思います。

仮に葬儀費用が150万円かかり、香典で50万円受領した場合に、損害額がどうなるかといった問題が生じますが、香典の取得額は葬儀費用から差し引かないものと考えられています。

したがって、香典で50万円受領した場合でも、葬儀費用による損害は150万円と考えることになります。

このようなになる関係上、香典返しにより葬儀費用とは別に支出があったとしても、香典返し分は損害とされないので注意が必要です。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします
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積極損害に関するよくあるご質問

Q.大部屋には入院したくないんですが個室ベッド代は出してもらえるのですか?

A.入院中の個室ベッド代(特別室使用料)は、医師の指示があった場合、傷害の程度が重い場合、付添が必要である場合、空室がなかった場合等に認められます。

軽度な症状の際に、被害者から個室を病院側に依頼した場合に、事前に十分に病院や保険会社と協議しておかなければ、後に加害者(保険会社)ともめることが多いので注意が必要です。

Q.入院のときにテレビ、冷蔵庫、雑誌代等色々と費用がかかったのですが。

A.入院雑費は、自賠責保険上では、1日につき1100円とされ、1日につき、1100円以上超えることが立証されていれば、必要かつ妥当な実費が損害とされます。

一方、いわゆる裁判基準(大阪でもその他の地域でも同じ。)では、入院雑費は1日につき1500円とされていますので、裁判等弁護士が介入し加害者若しくは加害者側保険会社と争った場合には、1日あたり1500円で計算し支払われるのが通常です。

Q.入通院先の医師へ謝礼を渡しました。医師への謝礼は損害として請求できますか?

A.医師等への謝礼は、過去には認められていた裁判例はありますが、今日では、医師等の謝礼は、損害として認めないものと考えられています。

ただし、平成21年に、さいたま地方裁判所で、被害者が緊急搬送時に昏睡状態にあり、治療の末集中治療室から一般病棟に移ることが可能となった事案につき、医師への謝礼として30万円を支出が社会通念上相当なものとして損害として認められた裁判例があります。

Q.整骨院・接骨院に通院したいのですが、いけるのでしょうか?

A.柔道整復師による施術(整骨院・接骨院の施術費用)は、被害者の傷害の症状に有効であれば相当な範囲内でその施術費用が損害と認められます。また、医師の指示がある場合も、整骨院・接骨院に通う場合も原則として損害として認められます。

ただ、今日、加害者側保険会社は、医師の指示・同意がないことを理由に整骨院の施術費用・接骨院の施術費用を出し渋る傾向にあります。

自賠責保険によっても、症状に有効であり相当な範囲内であれば、施術費用は支払われますので、お困りの方は弁護士法人ALGにご相談ください。

Q.相手方保険会社に症状固定だと言われ治療費を打ち切られてしまいましたが、その後も通院が必要だと医師から言われています。治療費はもらえますか。

A.治療費は原則として症状固定までの治療費を損害とすることが大原則であるため、原則として症状固定後の治療費は損害に含まれません。

但し、傷害の内容・程度等により、症状固定後も治療・検査等が必要であり、その旨、医師からも意見書・診断書があれば、必要かつ相当な範囲内で損害に含めることは可能です。

また、症状固定後に手術が予定されている場合等でも事案に応じて治療費が認められる場合があります。

ただ、必ず損害に含めることができるものではなく、保険会社側も通常拒絶をしてきますので、お困りの際は弁護士法人ALG(東京・宇都宮・埼玉・千葉・横浜・名古屋・大阪・神戸・姫路・福岡))にご相談ください。

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この記事の監修

弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長 弁護士 長田 弘樹
弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長弁護士 長田 弘樹
大阪弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
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