弁護士なしで離婚調停するメリットとデメリット

離婚問題

弁護士なしで離婚調停するメリットとデメリット

大阪法律事務所 所長 弁護士 長田 弘樹

監修弁護士 長田 弘樹弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長 弁護士

離婚調停を申立てようとしている方や、相手から申立てられてしまった方の中には、弁護士に依頼すべきかどうかお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、離婚調停を弁護士に依頼せずにご本人だけで進めることが可能かどうか、また、弁護士を付けずに離婚調停を行うことのメリット・デメリットについてご紹介します。

離婚調停は弁護士なしでもできる?

離婚調停は、法律上、弁護士に依頼しなくてもご本人だけで手続きを進めることが可能です。

弁護士なしで調停する人の割合はどれくらい?

裁判所が作成する『家庭裁判所における家事事件及び人事訴訟事件の概況及び実情等』によると令和4年の婚姻関係事件の調停のうち、約35.5%の事件は双方ともに弁護士を立てずに本人のみで行っているとされています。

自力で離婚調停を申し立てる方法

自力で離婚調停を申し立てるには、①申立書、②事情説明書、お子さんについての事情説明書(未成年の子がいる場合)、③連絡先等の届出書、④進行に関する照会回答書、⑤夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書、3か月以内に発行されたもの)、⑥年金分割のための情報通知書(年金分割を申し立てる場合)を準備し、これを相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に提出する必要があります。

弁護士なしだと離婚調停で不利になる?

弁護士なしで、一人で離婚調停に臨むことによって、法律上不利に取り扱われることはありません。ただし、調停は、ある程度の法的な考え方に沿って話し合いを進めていくことになるため、調停委員や裁判所の述べている事実を理解するためには、一定の法的知識が必要となります。そのため、法的知識の不足や交渉の進め方次第では、事実上の不利益を被る可能性はあります。

離婚調停を弁護士なしで対応するメリットとデメリット

メリット

離婚調停を弁護士なしで対応する最大のメリットは、費用を抑えられる点です。弁護士報酬が不要なため、依頼する場合に比べて経済的負担を大幅に軽減できます。

デメリット

弁護士なしで離婚調停に対応するデメリットとしては、申立手続や資料提出などの煩雑な作業をすべて自分で行う必要がある点が挙げられます。また、法的知識が不十分なために不利な条件に気づかず受け入れてしまったり、必要な主張や証拠が不足したりして、望む結果に至らない可能性もあります。

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離婚調停で弁護士ができるサポート

離婚調停申立ての手続を代行してもらえる

弁護士に依頼すれば、離婚調停の申立書の作成から必要書類の収集・提出、家庭裁判所への提出まで、すべての手続を代行してもらうことができます。申立てに不備があると調停がスムーズに進まない可能性もあるため、正確かつ適切に進めることが重要です。

陳述書や答弁書の作成時にアドバイスしてもらえる

離婚調停では、「陳述書」と呼ばれる、当事者の意見をまとめた書面や「答弁書」と呼ばれる相手の主張書面に対する回答書の提出を求められることがあります。日頃から書面作成に慣れていない方にとっては、内容の整理や表現が難しく感じられることもあるでしょう。その点、弁護士に依頼すれば、内容のアドバイスを受けたり、適切な形式に整えてもらったりすることが可能です。

調停委員と話すときに同席してくれる

離婚調停では、調停委員という裁判所の職員を介して自分の主張を相手方に伝える仕組みになっています。そのため、調停委員に自分の意見や事情を正しく理解してもらうことが極めて重要です。弁護士に依頼すれば、調停の場に同席して複雑な背景や主張を整理・補足しながら説明してくれるため、調停委員の理解を得やすくなり、スムーズな話し合いが期待できます。

離婚条件についてアドバイスがもらえる

離婚調停では、当事者同士が合意した内容がそのまま離婚条件として確定します。しかし、どの条件を受け入れるべきか、どのような内容なら拒否すべきか、自分だけでは判断が難しいこともあります。弁護士に相談することで、相手方の提案が法的に妥当かどうかを見極めてもらえるほか、自分にとって適切な離婚条件について具体的なアドバイスを受けることが可能です。

相手とのやり取りを代わってくれる

調停は裁判所を通じた話し合いですが、期日と期日の間に当事者同士で連絡を取る必要が生じることもあります。ただ、感情的な対立がある場合など、直接やり取りをしたくないと感じる方も多いのが実情です。弁護士に依頼すれば、こうした調停期日間の連絡や資料のやり取りなどを代理で行ってもらうことができ、精神的な負担を大きく軽減できます。

離婚調停を成功に導くポイント

離婚調停を円滑に進め、納得のいく結果を得るためには、迅速な申立てや適切な対応が重要です。

また、調停当日は、自分の考えや希望を的確に調停委員に伝え、相手の理解を得ることが求められます。こうした対応は、ご本人のみでも不可能ではありませんが、調停手続に不慣れな方にとっては大きな負担となりかねません。特に、離婚条件に関わる判断や証拠の整理には法的知識が不可欠な場面も多いため、弁護士のサポートを受けることで、より有利かつ納得のいく調停結果に導くことが期待できます。

ひとりで離婚調停を乗り切れるか心配な場合は、一度弁護士にご相談ください

これまで述べてきたとおり、離婚調停はご本人だけでも対応可能な手続です。もっとも、専門家に頼らずに一人で全ての手続を進めていくことには精神的・物理的な負担がかかると同時に、法的知識の不足による思わぬ不利益を招く可能性もあります。一人で離婚調停を乗り切れるかご不安な場合は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

大阪法律事務所 所長 弁護士 長田 弘樹
監修:弁護士 長田 弘樹弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長
保有資格弁護士(大阪弁護士会所属・登録番号:40084)
大阪弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。