監修弁護士 長田 弘樹弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長 弁護士
交通事故は、重大な事故から軽微な事故まで様々ありますが、特に軽微な事故の場合には、弁護士へ依頼することを仰々しいと捉え、消極的になる方は少なくありません。
しかし、軽微な事案であったとしても、弁護士へ依頼することで獲得できる金額がかなり増額される場合があります。
適正な賠償を受けるためにも弁護士に相談することは極めて重要です。
今回は、弁護士の介入を悩む人に向けて、以下でメリットを解説します。
目次
メリット1:弁護士に依頼すると慰謝料が増額する可能性が高くなる
まず、「慰謝料」には、「傷害(入通院)慰謝料」と「後遺障害慰謝料」というものがあります。
「傷害(入通院)慰謝料」は、入通院期間や入通院日数によりその額が算定され、「後遺障害慰謝料」は後遺傷害等級によりその額が算定されます。
これらの算定基準は、「自賠責基準」、「任意保険基準」、「弁護士基準(裁判基準)」という3つの基準があります。
「自賠責基準」とは、自賠責保険から支払われる基準を指し、最低限の補償基準です。
「任意保険基準」とは、任意保険会社が定めた賠償基準であり、一般的には弁護士基準よりも低額なものとなります。
「弁護士基準(裁判基準)」とは、裁判の場合に用いられる基準を指し、最も高額な基準です。
弁護士が介入していない場合、相手保険会社が慰謝料額の算定にあたって用いる基準は、「弁護士(裁判)基準」よりも低額な「自賠責基準」や「任意保険基準」であることが多く、裁判になった場合に用いられる「弁護士(裁判)基準」で算定されることはほとんどありません。
弁護士が介入した場合には、「弁護士(裁判)基準」で算定を行うため、慰謝料が増額となる可能性が高くなります。
例)頸椎捻挫(むち打ち)で2か月週2回程度通院した場合
自賠責基準の場合:4300円×60日=25万8000円
弁護士(裁判)基準の場合:36万円(赤本別表Ⅱ参照)
メリット2:ストレスになる相手保険会社とのやり取りを任せられる
交通事故に遭われた方の多くが、今後どうすべきなのかよくわからない状態となります。
車の修理をどうするのか、その費用はどの程度出るのか、病院を変えたい場合にはどうするのか、被害届を出すべきなのか等、自分の行動がどう影響するのか分からないという方が少なくありません。
そのような中で、相手保険会社とやり取りを行うことは多大な不安・ストレスを伴います。
弁護士が介入することで、それらの不安から解放されるとともに、適切な解決を図ることができます。
メリット3:適切な通院の仕方・診察のアドバイスをします
上記1のとおり、「傷害(入通院)慰謝料」は、入通院期間や入通院日数によりその額が算定されます。
患者の通院頻度が少なかった場合には、慰謝料額が適正に算定されず、本来賠償を受けるべき額よりも低額にとどまってしまう可能性があります。
損害賠償額の算定は、一定の基準に基づいて算定されており、適正な賠償を受けるためにも、弁護士から通院・診察のアドバイスをもらうことは極めて重要といえます。
メリット4:保険会社からの治療費打ち切りに対応し、治療延長の交渉をします
交通事故で受傷した場合、事故当初は相手保険会社が治療費を負担してくれているケースが多いです。
しかし、治療期間が一定期間を経過すると、未だ怪我が十分治りきっておらず、治療継続の必要性があると考えているにもかかわらず、相手保険会社から「治療費の支払いについては終了する。」という連絡が入ることが少なくありません。(いわゆる「治療費打ち切り」です。)
弁護士が介入している場合には、治療継続の必要性、相当性等を相手保険会社に訴え、必要であれば医師の診断書を取り付ける等、治療延長の交渉を行います。
不当に短い期間で「治療費打ち切り」に遭わないためにも、弁護士を活用することは大切です。
メリット5:後遺障害等級認定・異議申し立てを行います
事故後、治療を行っていたにもかかわらず、症状が改善せず、一定の労働能力が喪失する「後遺障害」が生じる場合があります。
後遺障害等級は、国土交通省が定める「自動車損害賠償保障法施行令別表」に基づき、その障害の程度により、等級が認定されます。
後遺障害等級の認定は、後遺障害慰謝料や逸失利益の算定に影響を与えるため、認定の有無や認定される等級で損害額が大きく変わってきます。
例)年収350万円の男性が頸椎捻挫(むち打ち)で後遺障害等級14級が出た場合
後遺障害慰謝料:110万円(赤本基準)
逸失利益:350万円×4.5797×5/100=80万1447円
また、認定された後遺障害等級(非該当を含む)に対し、異議申立てを行うことも可能です。
後遺障害等級の認定申請や異議申立てについては、適切な後遺障害等級の獲得に必要な医学的所見等の理解が不可欠であり、高度な専門性を要するため、弁護士に任せる方がよろしいでしょう。
まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします
メリット6:適正な休業損害がもらえるよう、アドバイスします
「休業損害」とは、入通院等により、仕事を休業したことによる損害(本来得られた分の収入や労働力を失ったことによる損害)を指します。
給与所得者の場合には、一般的に「休業損害証明書」というものを会社に発行してもらい、算定します。「休業損害証明書」には、休業により生じた損害額までは記載されておらず、自ら損害額を計算する必要があります(なお、相手保険会社は、休業損害の算定にあたって、直近の平均給与を各月の総日数(休日も含む)で割った日額を算定基準としていることが多く、直近の平均給与を勤務日数で割った日額を算定基準とすべきと主張すべきでしょう。)
また、専業主婦や事業所得者の場合には、休業損害をどのように算定・証明するかが極めて難しい問題といえます。
適正な休業損害の賠償を受けられるように専門家に依頼すべきといえます。
弁護士依頼のデメリットはない?
弁護士に依頼するときに懸念されることは弁護士費用です。
最近は自動車保険に「弁護士特約」が付いている場合が多く、そのような場合には費用はかかりません。
しかし、もし弁護士特約を付けていなかった場合でも、費用の御心配は要りません。
当事務所の場合、着手金(初期にかかる費用)は不要、諸経費のみとしています。
また、既に相手保険会社から賠償額の提示を受けている場合には、どの程度増額可能か事前に算定させていただき、弁護士費用を差し引いても増額が見込めるか、算定を行います。
したがって、費用倒れとなる心配がありません。
交通事故は、医学的な知見や相手保険会社との高度な交渉力が要求される分野であり、専門性や経験が大きく影響する分野です。
適正な賠償を受けるためにも、交通事故に強い弁護士へ依頼することが何より重要です。
交通事故に遭ったら、弁護士に相談すべき。迷ったらまずは無料相談を
上記のとおり、交通事故は、事故直後だけでなく、治療期間中や治療終了後も弁護士が介入するメリットがあります。
適切な期間治療を受け、適切な賠償を受けるためには、法的にどのようなことを、どの程度請求できるかの“見通し”が必要になります。
当事務所は、年間約件()の交通事故案件を受けており、様々な交通事故案件の経験・ノウハウを有しており、当該事故における“法的な見通し”をご提供することができます。
当事務所には、特に交通事故に強い弁護士が多数在籍しておりますので、交通事故に遭われましたら、迷わず一度当事務所にご相談されることをお勧めします。
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保有資格弁護士(大阪弁護士会所属・登録番号:40084)