監修弁護士 長田 弘樹弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長 弁護士
相続が開始すると、相続人には、相続に関して様々な手続きを行う必要が生じます。
相続手続きにはどのようなものがあるのか、また、それらを自分一人で行うことはできるのかなどを詳しく解説していきます。
目次
相続手続きは自分でできる?
相続手続きは、専門家による実施が必須とされているものではありませんので、基本的には自分で行うことが可能です。
しかし、相続手続きは、様々な書類を集め、適切に処理していく必要がありますので、相続が開始した直後の忙しい時期に、慣れていない処理を自分で行うことは想像以上に大変です。
また、適切に処理ができていないと、手続きの修正を求められたり、追加で税を徴収されたりなど、一定のリスクを抱えることになってしまいます。
自分で相続手続きができるケース
前記のリスクを考えると、相続手続きを自分で行うことができるのは、手続き自体が簡易で、時間をかけてもさほど問題ない場合などに限定すべきだと考えられます。
すなわち、相続人が極めて少ない場合や、相続人間の関係が良好で協力を得やすい場合、相続財産が特定できており、数も少ない場合などが代表例といえます。
専門家に相続手続きを依頼した方がよいケース
逆に、前記に当てはまらない場合は、一度専門家に相談した方が良いでしょう。
具体的には、相続人が多数に及ぶケース、相続財産が散逸していて具体的な範囲が特定できないケース、相続人同士の関係が良好ではないケースなどが挙げられます。
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相続手続きを自分で行うときの5つのリスク
必要書類を集めるのに時間と労力がかかる
相続人として相続手続きを行う場合、まず自身が相続人であることを証明する資料から作成しなければなりません。
そのためには、戸籍をはじめとして必要資料の収集を行う必要があります。
相続人の人数が多いと、それだけで集める資料が多数に及びますので、多大に時間と労力がかかります。
特に、預金の解約などは、一つの資料が欠けているだけでも手続きが進みませんので、思わぬ壁に阻まれないよう注意が必要です。
預金解約や不動産の名義変更などやるべきことが多い
相続手続きは、預金の解約や不動産の名義変更などをはじめとして、各相続財産についてやるべきことが多数に及びます。
手続きに慣れている場合であればスムーズに処理できるかもしれませんが、相続手続きは何度も経験するものではありませんので、自分一人では精神的にも身体的にも疲労してしまう可能性があります。
裁判所や銀行に何度も足を運ぶ必要がある
相続手続きについてインターネットや電話で行うことが可能なこともありますが、裁判所や銀行に直接足を運ばなければならないことも少なくありません。
預金している銀行が多いとそれだけでもかなりの銀行を訪問しなくてはならず、そこに資料が足りないという事態が重なると訪問自体が無駄になってしまいます。
手続きの期限に間に合わない可能性がある
相続手続きに関しては、手続ごとに期限が設けられている場合が多く、これを徒過してしまうと大きな不利益を被ります。
期限としては、具体的には、
- 相続放棄期間(3か月以内)
- 所得税の準申告期間(4か月以内)
- 税務申告期間(10か月以内)
- 遺留分侵害請求期間(1年以内)
などが存在します。
相続人でトラブルになりスムーズに進まないことがある
相続人間の関係が良好であることを前提にしても、一定の期間内に前記のような手続きを経る必要があります。
しかし、相続人間でトラブルがあるなどした場合、資料が揃わない、手続きの同意が得られないなどの理由で、何らの手続きも進まず硬直してしまうことがあります。
相続手続きを弁護士に依頼するメリット
必要書類の収集など全ての手続きを任せられる
弁護士に依頼した場合、必要書類の収集を始めとして、基本的にはすべての手続きを代行してもらえますので、自分で行う手続きはほとんどなくなります。
自身で行う必要がなくなることにより、精神的・身体的な負担から解放されることは想像以上のメリットとなります。
相続トラブルにも適切に対応できる
相続人間でトラブルが生じていた場合も、同様に弁護士に依頼することにより手続きを前に進めることができます。
弁護士であれば、法的な主張を前提に、相続人との間で交渉を進めることができますので、トラブルにより何も進まないという状況から脱することが可能となります。
自分で相続手続きを進めるのが難しいと感じたら、できるだけ早めに弁護士へ相談しましょう
相続手続きを自分で行うと、自身が思っていた以上に負担がかかってしまう場合が少なくありません。
相続手続きは、手続きに関する理解や法的な知識が必要である場合が多く、手続きが停滞してしまう原因となります。
手続きが停滞することにより期限を徒過してしまうなど、取り返しのつかない事態になってしまうこともありますので、相続手続きにお困りの場合は是非一度弁護士にご相談ください。

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保有資格弁護士(大阪弁護士会所属・登録番号:40084)
