【令和3年1月施行】労働派遣契約の電子化が解禁に!

大阪法律事務所 所長 弁護士 長田 弘樹

監修弁護士 長田 弘樹弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長 弁護士

  • 派遣契約

令和3年1月1日から労働派遣契約の電子化が解禁

派遣会社が労働者派遣契約を締結する場合、労働者派遣施行規則第21条3項により、労働者派遣法第26条に定める労働者派遣契約の内容に関する事項を書面に記載しなければならないとされていました。
しかし、これでは、労働派遣契約を締結するまでに書類作成や郵送等に時間がかかるため、非常に効率の悪い状況が生じていました。
そこで、令和3年1月1日に施行された「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令」(厚生労働省令第170号)により、労働者派遣契約の電子化が認められるようになりました。

会社が労働派遣契約を電子化するメリットは?

派遣会社にとって労働派遣契約を電子化することによるメリットは数多くあります。ここからは、電子化することでどのようなメリットが生まれるかについて見ていきましょう。

ペーパーレス化によるコスト削減

まず真っ先に挙げられるメリットとしては、印刷にかかるコストを削減できることがあります。当然、印刷に必要な膨大な量の紙が不要になり、印刷をするためのコピー機やコピー機のインク代、トナー費用等も削減することができます。

捺印申請や郵送手続きなどの工程削減

また、紙で契約書を作成する場合には、原本を複数作成して郵送したり、書面に印鑑を捺印する手間が必要になりますが、電子化することによりこれらの手間が省けます。特に段階的に決裁をしなければならない大手の派遣会社においては、それだけ長い時間を要することになりますから、その工程を削減するメリットは大きいといえます。

データの保管・管理の簡便化

さらに、契約書で文書を保管する場合、巨大な倉庫やスペースが必要になりますし、書類を紛失してしまうリスクや検索性が低いというデメリットがあります。しかし、契約書を電子化することができれば、会社のサーバーやクラウド上で物理的なスペースをそれほど設けずに保管することができますし、検索性が容易になるというメリットもあります。また、書類の場合は時間の経過により紙が劣化し、文字が読めなくなるといったこともありますが、電子化していればそのようなこともありません。

テレワークでも対応が可能

そして、昨今の働き方としてテレワークが定着している会社が多くなってきていますが、そのような会社においてはより労働派遣契約書が電子化されることによるメリットが大きいといえます。つまり、わざわざ会社に出勤して契約書の作成や送付作業を行わなくても、自宅から会社のサーバーにアクセスして労働派遣契約書を作成し、派遣先会社の担当者宛に契約書をメールでやりとりすることができれば、会社に出勤せずとも契約締結業務を完了させることが可能となります。

電子契約はセキュリティ面で問題ないのか?

電子契約は、便利で大量処理が可能であり、保管も容易である反面、電子データにより保存しているという特性上、漏洩や改ざんなどのセキュリティ面の問題が生じることがあります。このようなセキュリティ面の問題を回避するためには、信頼できる電子契約システム事業者のサービスを利用する必要があります。具体的には、労働派遣契約に関する情報を社内のみに隔絶させ、権限が与えられた固定のIPアドレスからのみアクセスできるようにするなど制限を加えていること、定期的にシステムの脆弱性を検査したり、改ざんされた場合には自動的にそれを検知するようなシステムを備えていること、定期的にバックアップをとり、災害が生じた場合でも別のサーバーが機能するような体勢を整えていることなどが必要です。

労働派遣契約の電子化で会社に求められる対応

では、会社が労働派遣契約の電子化を行う場合、どのような対応が必要となるのでしょうか。

電子契約システム導入の検討

まずは、どの電子契約システムを導入すべきかを検討しなければなりません。上記のようなセキュリティの問題はもちろんですが、使い勝手や取引先の会社が導入しているかどうか、サービスが永続的かつ安定的に提供されるかどうか、運用コストがどの程度かといったことを考慮しながら決定することになります。

社内ルールの策定と周知

次に、会社で電子契約システムが導入されても、従業員がその電子契約システムを適切に利用し、業務の効率化を図れるようにしなければ意味がありません。そのためには、会社内で電子契約システムの使い方や運用方法についてのルールを作成し、勉強会を開催するなど、全体に周知しておく必要があります。

派遣契約に関するご相談は、労働問題を得意とする弁護士にお任せください。

以上のように、派遣会社にとっては、労働派遣契約書を電子化することにより、業務効率を飛躍的に向上させることが可能となります。しかし、電子化することによるセキュリティ面での問題や導入にあたってのトラブルが発生することも考えられます。そのような場合は、弁護士法人ALG&Associates大阪法律事務所にご相談下さい。

大阪法律事務所 所長 弁護士 長田 弘樹
監修:弁護士 長田 弘樹弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長
保有資格弁護士(大阪弁護士会所属・登録番号:40084)
大阪弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。

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