養子縁組は相続税対策になる?メリットや注意点を解説

相続問題

養子縁組は相続税対策になる?メリットや注意点を解説

大阪法律事務所 所長 弁護士 長田 弘樹

監修弁護士 長田 弘樹弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長 弁護士

養子縁組を行うことで、相続の場面において節税対策になることがあります。
もっとも、節税対策になるためには一定の条件が揃うことが必要であるため、注意が必要です。
この記事では、養子縁組が節税対策になるための条件や注意すべきポイントについて詳しく解説していきます。

養子は相続税対策になる?

養子縁組を行うことにより相続人の人数が増え、結果的に、①基礎控除額が増加し、②累進課税が緩和され、③生命保険金や死亡退職金の非課税金額が増加するという節税効果が生じます。

ただし、①③の効果が生じるのは、被相続人(亡くなった方)に実子がいる場合には養子1人まで、実子がいない場合には養子2人までに限定されていることには注意が必要です(相続税法15条2項)。

相続税対策として行われる養子縁組にはどんなものがある?

孫と養子縁組

孫と養子縁組をする場合には、子の相続を飛ばして財産を相続させることができるため、相続税が課税される回数が1回減るというメリットがあります。
もっとも、孫が相続人になる場合には、その者の相続税額は2割増しになるという法律があるため(相続税法18条)、孫と養子縁組をすることが一概に相続税対策になるとは限りません。

そのため、孫と養子縁組する場合としない場合を比較して相続税対策となるかを検討することとなります。

息子の嫁と養子縁組

被相続人(亡くなった方)から見て子の配偶者、つまり息子のお嫁さんは本来相続人にはあたらないので、被相続人の財産は一切相続できません。
もっとも、生前お嫁さんが身の回りの世話をしてくれたなどの理由から、お嫁さんに財産を残したいと思う方もいるでしょう。
養子縁組をすることにより、お嫁さんは相続人になるため、上記節税対策に加えて、お嫁さんに財産を相続させることができるというメリットがあります。

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相続税対策のために養子縁組することの注意点

他の相続人とトラブルになることがある

上記のように養子縁組は節税対策になるといったメリットがある一方、養子縁組をすると相続人が増えることになるため、他の相続人の遺産の取り分は減ります。
そのため、養子縁組を行ったことで遺産相続の際に他の相続人とトラブルになることがあり得ます。
そうならないために、事前に他の相続人に対し養子縁組をすることをよく説明しておくといった対策が考えられます。

基礎控除の枠として有効な養子の数には制限がある

養子縁組により節税効果が生じるなら養子縁組をたくさんした方がお得だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もっとも、養子縁組を行うことにより生じる基礎控除額や生命保険金・死亡退職金の非課税金額の増加といった効果は、被相続人(亡くなった方)に実子がいる場合には養子1人まで、実子がいない場合には養子2人までに制限されています(相続税法15条2項)。

節税目的の養子縁組は否認されることがある

判例上、節税対策を目的とした養子縁組であっても有効とされています。
もっとも、養子縁組を行うことで相続税の負担を不当に減少させる結果と認められる場合には、養子の数について否認されることがあります(相続税法63条)。

つまり、養子縁組による節税効果が大きすぎる場合、節税効果が認められないリスクがあることには注意が必要です。

相続税対策として養子縁組する方法

養子縁組をするには、養親となる者と養子となる者が合意をした上でいずれかの本籍地または所在地の市区町村役場に届出を行うことが必要です。
また、届出を行う際には、2人以上の証人が必要です。

養子縁組は節税対策となる一方、前述のとおり、後々の相続人間のトラブルにもつながりかねない手続です。
そのため、ご家族間で養子縁組を行うメリット・デメリットをしっかり比較したうえで、手続に進みましょう。

相続についてのお悩みは弁護士にご相談ください

節税対策のために養子縁組を行うことにはメリットがある一方、当事者間のみで行うと後々トラブルになることもあります。
また、節税効果に限らず養子縁組は遺産相続に大きな影響を与えることからその手続は慎重に行う必要があります。

節税対策で養子縁組を行うべきかお悩みの方は是非法律の専門家である弁護士にお尋ねください。

大阪法律事務所 所長 弁護士 長田 弘樹
監修:弁護士 長田 弘樹弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所 所長
保有資格弁護士(大阪弁護士会所属・登録番号:40084)
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