示談交渉
監修医学博士 弁護士 金﨑 浩之弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 弁護士
医療過誤事件の示談交渉とは、患者や遺族が病院に対して書面等で賠償金の支払いを請求し、病院側が支払いに応じる合意をすることを目指す交渉のことです。多くの場合には、訴訟になることを想定して過失や因果関係について争いながら、金額交渉を進めることになります。
ただし、患者側は示談交渉に過剰な期待を抱かないことが大切です。過失があることが明白な事案でも、病院側が示談に応じないことも多いからです。医師の先生の話を伺っていると、医師個人としては患者にお金を払って欲しいと考えていても、保険会社等の意向により、病院組織としては過失や因果関係を争って賠償金を全く支払わないケースもあるようです。基本的には組織の規模が大きいと硬直的な判断になりやすいです。
また、示談交渉は裁判所が進捗を管理してくれるわけではないため、遅々として交渉が進まないことも多いです。他方で、調停では裁判所が期日を設定するので合理的な進行を期待することができます。このため、個人的には、解決方法として交渉を選択するのは、金額調整のみを行う場合等、相手方が速やかに支払うことが期待できる事案に限るべきであると考えています。ただし、訴訟提起前に病院側の考えを知るために交渉を行う場合もあります。
過誤が余りにも明白な事案では、病院側からある程度の額の支払いを提示することもあります。裁判基準と殆ど変わらない金額を提示しているケースもありますが、低めの金額を提示している場合が多いです。ただし、個人のクリニック等で風評被害を考慮して裁判基準より高い示談金を提示している場合もあります。
この記事の執筆弁護士
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大阪弁護士会所属
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保有資格医学博士・弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:29382)東京弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
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