脳梗塞

脳梗塞

初期の脳梗塞はCTでは判断しにくいがMRIでは判断しやすいという性質があります。また、初期の脳梗塞では一定の時間内にアルテプラーゼの投与等の血管内再開通療法を行うことで予後の改善を期待することができます。このような事情があるため、片麻痺が生じている脳梗塞の患者にMRI検査を行わずに帰宅させた場合等に紛争になることがあります。

MRIの検査義務が認められるためには、片麻痺、感覚障害、構音障害、失語、失認、意識障害、early CT sign等がどの程度証拠から認定されるかという点が重要になります。early CT signは広範な梗塞の場合には皮質髄質境界不明瞭化等の所見がCTで確認できることがあるというものです。early CT sign が認められる事案ではMRIを行うべき義務が生じる可能性が高まりますが、予後を改善できるか否かが不明確になりやすいです。大阪法律事務所が担当していた医療訴訟でも、early CT sign が認められる事案において、公的鑑定でMRIを行うべき義務を認める内容の鑑定結果が出たことがあります。この事案では、因果関係の説明に難しい点があったため患者さんのご意向も踏まえて和解を選択していますが、脳梗塞の見落としが過失と判断される可能性は十分にありました。脳梗塞の検査義務が認められた裁判例も、early CT sign が存在した事案であったようです(大阪地判平成28年3月8日判例時報2318号59頁)。

脳梗塞の種類

脳梗塞には詰まる場所や詰まる原因によって種類があります。アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳梗塞症、ラクナ梗塞、BAD等の種類に応じて、アルテプラーゼ等による予後の改善について具体的に説明する必要があります。

TIA(一過性脳虚血性発作)

脳梗塞に関連する病態としてTIAがあります。TIAは脳虚血により一時的な局所神経症状が生じるが、脳梗塞は完成していない状態のことです。TIAでは多くの場合には24時間以内に症状が消失します。TIAの見逃しが過失であると判断された裁判例も存在します(福岡地判平成24年3月27日判例時報2157号68頁)。この裁判例では患者が入院を拒否する可能性等も考慮して因果関係が否定されています。しかし、TIA発症平均1日後に治療を受けた場合には90日以内の大きな脳卒中の発症率が2.1%とされており(脳卒中治療ガイドライン2015[追補2019]31頁)、事案によってはTIAを見逃した過失と後遺症が発生したことの因果関係が肯定されて、高額な賠償請求が認められる可能性もあると考えられます。

この記事の執筆弁護士

シニアアソシエイト 弁護士 髙橋 旦長
弁護士法人ALG&Associates シニアアソシエイト弁護士 髙橋 旦長
大阪弁護士会所属

この記事の監修

弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 医学博士 弁護士 金﨑 浩之
弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員医学博士 弁護士 金﨑 浩之
東京弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。

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