- 依頼者の属性:
- 30代
- 男性
- 会社員
- 子供(同居)
- 実母(同居)
- 相手の属性:
- 30代
- 女性
- 無職
- 受任内容:
- 親権獲得したうえでの離婚請求
弁護士法人ALGに依頼した結果 | ||||
---|---|---|---|---|
慰謝料 | 約100万円 | → | 約15万円 | 約85万円の減額 |
子供は依頼者と生活しているため、受任後、監護権につき当方から申し立てることはせず、離婚調停についても相手方を刺激することを避けるため、当面待ちの姿勢をとることとしました。そんな折、相手方側から審判ではなく、監護者の指定調停が申し立てられたため、時間を稼ぎつつ、依頼者による監護実績を積むこととしました。また、依頼者には、多頻度の面会交流を認めるよう説得を行いました。なぜこのような方針を採ったのかというと、以下のような理由のためです。
弁護士方針・弁護士対応
監護者の指定調停では、「別居時の態様」「双方の監護実績」「相手方の精神障害の有無・程度」といった点が問題となりました。
これらの争点については、まず、相手方との別居時の態様がいわゆる「子の連れ去り」と評価されてしまうおそれがありました。また、依頼者は会社に勤務していることもあり、別居前の監護実績で明らかに優位に立つことは難しく、相手方の精神障害の有無・程度についても、事実上の心証としてはともかく、決め手に欠ける印象でした。
以上のような各争点についての攻防から、弊所の担当弁護士は、調停を1回でも長く継続させることによって、依頼者が単独で監護している現状を1日でも長くすることが得策であると考えました。そこで、依頼者には、育児を実母に任せるのではなく、できる限り自分で行うようにと何度も釘をさすようにしたところ、仕事で忙しいながらも、受任後に通い始めた保育園・幼稚園に子供を送る等、積極的に育児を行っていただけるようになりました。加えて、相手方に診断書等の資料の提出を求めたり、多頻度の面会交流を実施したり(依頼者の監護者適格の主張にも繋がりました)、相手方から申し立てられていた婚姻費用分担について積極的に議論をしたりすることによって、依頼者の単独監護の実績を十分に積むことができました。
大阪法律事務所・離婚案件担当弁護士の活動及び解決結果
【監護権について】
依頼者が長期間にわたった単独監護を継続し、調査官調査でも、子供との十分な親和関係が認められて子供の監護状態にも問題が見られなかったことから、依頼者が監護権を獲得しました。
これは、①十分な単独監護期間を設けることができたこと、②その監護期間において依頼者がきちんと育児を行い、子供との良好な関係等を築けたことの2点がポイントだったと思われます。
【離婚について】
依頼者が確定的に監護権を獲得したことによって、離婚において、親権は大きな争点とはなりませんでした。離婚において大きな争点となったのは、別居に際しての慰謝料と面会交流でした。
この点、親権について負けることとなったことによって戦意を喪失したのであろう相手方は、①慰謝料について15万円(従前の主張は100万円)、②面会交流については月1回1泊2日(従前の主張は月2回2泊3日を継続)という内容にて離婚を成立させることができました。